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Togyu Okumura's paintings 奧村土牛作品
1956(昭和31年)67歳



 

Ballet dancer
作品『踊り子』
再興第41回院展出品
紙本彩色・額
150.5×105.8cm(文藝春秋表記)
150.5×105.5cm
(北海道立近代美術館、日本経済新聞表記)
山種美術館所蔵
1956

知人に紹介していただいた谷桃子さんを描く。
『白鳥の湖』の公演を二回見て
『湖』の心を汲み取ったし、
谷桃子さんのお宅へ
数えられないくらい写生に通って、
純粋従順な人柄が分かった。
絵描きは感情が強くモデルとの間でも
気持ちがぴったりとしないと、
その人は描けない。
すっかり頭に入ったので、
写生に捕らわれずに描いて見た。
(文藝春秋刊『奧村土牛/自作自解』より jul.25 1979)

私はバレリーナを描きたくなって、
知人の河村幸次郎さんに相談した。
河村さんが谷桃子さんを
後援しておられるのを聞いていて、
どうだろうかと持ち掛けたのである。
河村さんは即座に紹介を引き受けてくれたが、
谷さんはちょうどその時、
大阪で『白鳥の湖』の公演中であるという。
私はどうしても舞台がみたくなり、
翌朝の汽車で大阪に向かった。
舞台を見て、あの美しさを
どう表現すればいいのかとさまざまに考えた。
ポーズはともかく、
この『白鳥の湖』の扮装でお願いするのが、
一番ぴったりすると思った。
公演が終わってから、
河村さんのお宅で描かせて頂いた。
舞台の様子を思い出しながら、
いろいろとポーズをとってもらったが、
結局手を腰にあてて静かに
休んでいるところに決めた。
毎日ではないが、
ずいぶん長く通わせてもらった。
しかし、谷さんは一度も疲れた顔もみせず、
絶えずかるく微笑して黙って座っていた。
私も口数の少ない方であるが、
谷さんは、描いている間は一言もしゃべらず、
休みの時に話を伺うと純粋で
立派な方であることがよくわかった。
通ううちに谷さんの人柄に
ますます親しみを感じ、
私は楽しく仕事ができたのであった。
(日本経済新聞社『牛のあゆみ』より 1974)



 

Ballerina
素描『バレリ−ナ』
下図『踊り子』
作品に「谷桃子」と記す
紙本 38.5×30.8cm(山種美術館表記)
380×310mm(奧村土牛記念美術館表記)
奧村土牛記念美術館所蔵
Jul.13 1956

 

Flower
素描『花』
Apr.15 1956



 

Woman peddler in Kyoto from Ohara
素描『大原女』
450×375mm
奧村土牛記念美術館所蔵
1956

 

Landscape
素描『風景』
367×538mm
奧村土牛記念美術館所蔵
1956

 

Poppy
素描『罌粟』
290×375mm
奧村土牛記念美術館所蔵
May27 1956

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