9 言語

                 Bamboo 竹林

楽天やユニクロが社内公用語を英語にすると発表して話題になっている。日本人は、どちらかというと外国語アレルギーだと思う。それはヨーロッパのように隣接した国がなく、島国で隔離されているからかも知れない。

私は人生の半分を海外で暮してきたおかげで、英語とポルトガル語を話すことが出来る。しかし、今回ニュースになった楽天やユニクロでの社内英語公用語については、ちょっと違うような気がする。この2社の内のどちらかは忘れたが、2年以内に英語をマスターしないと首になるという話も聞いた。果たして英語ができると、その人は世界に通用するグローバルな人間なのだろうか?

グローバルな人間とは、異文化の違いを互いに理解し合って共生できる人のことであり、言語を話せるだけの意味ではない。ただ言語を話せるだけでは片手落ちのような気がする。まずは、日本人として日本語、文化、歴史を勉強して、ちゃんと日本人として確立された人格形成ができてから、他の言語を学ぶほうが良いと思う。国籍の分からない根無し草の人間を作ってもどうしようもない。

海外に住んで、つくづく思うのは、いかに自分が日本のことを知らないかということである。日本好きのアメリカ人から色々質問され、あたふたとして困ったことがあり、自分の不勉強を恥じたものだ。言語というものは、単に伝達の道具であり、その背後にある生活、文化、考え方などを理解することによって、やっとその言葉が完成するのだと思う。

テレビで英語の出来る幼児が得意そうに、脳のシステムを英語で外国人の先生と質疑応答していたが、あれはただの言葉遊びで脳のシステムを理解して話しているわけではない。勿論小さい子供の脳はやわらかく、吸収力や好奇心が旺盛なのは理解できる。だが、憶えるのも早いが忘れるのも早いのである。

最近、若い人達の国語力や常識のレベルが低下しているように感じる。私の姪が、小学一年生になった時、その教科書のうすっぺらい事、私の子供時代と比べると比較にならない。日本語の教育をないがしろにして、外国語を学んでも二兎を追うものは一兎も得ずになるのではと危惧する。

文:吉田千津子 写真:奥村森

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