17 親の責任

          Pasadena Kids festa パサディナ 子供フェアー

「最近の日本人はどうしてしまったのだろうか」と思うことが度々ある。あの礼儀正しい、思いやりのあった日本人は何処にいってしまったのか。日本社会の何かがガラガラと崩れ落ちて行くのを感じる。

毎日、新聞やテレビで流される事件や事故のニュースを見ていると、人災と思われるものが多々ある。親の不注意で事件に巻き込まれる子供達。パチンコに熱中して子供を車の中に何時間も放置してしまう親、道路を横断するのに子供の手をつながない親、バスから降りる時、先に子供を降ろして左右をみずに危うく車にひかれそうになっている子供。

公園の遊具で遊んでいた子供がケガをしたり、死亡事故が発生すると日本中の遊具が使用禁止になる。ビルの回転扉の事故が起きると全ての扉が危険とされ使用出来なくなる。何処に生活していても何時も危険と隣あわせだ。やはり注意を払って生活することが大切だと思う。特に小さな子供のいるお母さん達には、もっと子供に注意を払って欲しい。

ベビーカーを押しながら子供を見ずにケイタイに夢中になっている母親、買い物に夢中で子供をほったらかしにし、エスカレーターで遊ぶ子供に気付かない母親。事故が起こると、何時でも人のせいにし、注意書きが書いてなかった、柵がなかったと責任を転嫁する。

電車での「飛び乗りは危険ですから止めてください、手を挟まれないようにご注意ください」とか電車に乗っている間中アナウンスされるのは嫌になる。しかし、人によってはこれを言わないと怒る人達もいるらしい。いいかげん日本人も大人になって人に頼らず、一人ひとりが責任を持って自分のことは自分で守る人間をめざしたらどうかと思う。

長年アメリカに住んで思ったのは、子供は小さい時から厳しく躾られている。ファミリーレストランでさえも、走りまわる子供を見たことがない。もし、そんなことをしていたら即刻、親にたしなめられるかレストランのスタッフに注意される。親も子供がある年齢に達するまでは責任を持って育てる。

こんな事件があった。アメリカに住み始めてまもない日本人夫婦がスーパーマーケットに子供と一緒に夜間出掛けた。子供が寝てしまったので、ほんの短時間、子供をそのままにし、買物を済ませて車に戻た。すると、警察官が来ていて逮捕されてしまった。

カルフォルニア州では季節、時間を問わず1分たりとも子供をある年齢になるまでは1人にすると犯罪になるのだ。勿論1人でお留守番などもっての他。それで学生のベビーシッター制度がうまれた。登校についても小学生は必ず誰かが送り迎えするか、スクールバスの停留所まで送る。もし出来ない場合は、同じ学校に通うお母さん達と順番を決めて送り迎えしていた。

今は昔の日本と違い、知らない人と喋るなと教えられる物騒な世の中になってきている、だからこそ親がもっと子供に注意を払う必要があるのだ。

文:吉田千津子 写真:奥村森

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