6 ちょっといい話

                  Dog 犬

私は無類の動物好きで子供の頃から捨て犬や猫を拾ってきた。あげくのはては、一度ヤギを拾ったこともあった。そんなわけで我家には何時も動物がいた。

2年前の東日本大震災では、置き去りにされ鎖に繋がれたまま死んでいった飼い犬や家猫達が野生化して増殖し続けるている現状、やせ細った牛があちこち彷徨っている話を聞くと何とかしてやりたいと心が痛む。日本では毎年、何10万匹の犬や猫が殺処分されていると聞く。

2013年6月24日付の朝日新聞で「捨て犬もアテネ市民」という見出しが目に入った。ギリシャは、すでに経済が危機的状況で生活が大変なこともあり、捨てられる犬猫が急増しているという。しかし、アテネでは日本のように殺処分はしないそうだ。

まず、捨てられた犬猫をシェルターで保護し、その間に予防注射や去勢、避妊手術をほどこし、首にマイクロチップのIDを付けて住民(犬?猫?)登録する。この間に里親が決まれば引き取られるが、そうでない場合は再び路上に出されて、地域犬・猫として生活をするのである。

餌をやるのは、住民や動物愛護団体にまかされる。この「アテネ方式」と呼ばれる方法は2003年から始まった。これまでの10年間に4400匹が保護され、その内の1000匹が里親に引き取られたという。ギリシャは財政危機で動物愛護関連の予算も半分に削られてはいるようだが、それでも獣医師会や動物愛護団体などが協力して、これまでどうりの対応をすると書かれていた。

日本はギリシャに比べれば、アベノミクスとかで政府は経済的に上昇気流だと自慢しているが、今なお東日本大震災で災害を受けた人々の救済もままならない現状である。動物にやさしく出来ない国はイコール人間にもやさしく出来ない国なのではないだろうか。私は経済危機にあっても生き物にやさしいギリシャが好きになった。人間も動物も地球上の生き物なのだから。

文:吉田千津子 写真:奥村森

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