18 セーシェルに日本大使館が開設

                Nov.14 2019

皆さんはセーシェルという国をご存じだろうか。セーシェルは、1976年にイギリスから独立してセーシェル共和国となった。アフリカ大陸のケニアとタンザニアの東に位置し、南にはモーリシャス、レユニオン、マダガスカルなどがある。

115の様々な島からなり、インド洋に浮かぶ美しい島だ。首都はマエ島にあるヴィクトリア、人口は約9万人。大部分の人々はこの島に住んでいる。人種としてはインド系、中国系、それにクレオール(白人と奴隷との混血)と呼ばれる人々で構成される。

先週、ロサンゼルスの友人アリースから、メールでセーシェルの最新ニュースが送られて来た。それによると最近、セーシェルに日本大使館が開設され、お披露目のカクテルパーティーが催されという。

それに彼女の妹夫婦ローズとマイケルが招待された。ローズは若い頃にドイツに渡り、そこでドイツ人のマイケルと知り合い結婚。その後二人とも早期退職をしてセーシェルに移り住み、丘の上に家を建てて優雅に暮らしている。

今年になってマイケルはアフリカ・ナミビアの領事に任命されたのである。何故ドイツ人のマイケルがナミビア人でもないのにどうして領事になったのか、不思議に思いアリースに事の次第を訊ねてみた。

それによると2,3年前にナミビアの領事になりたい人の募集があり、マイケルはそれに応募していたのだ。しかし、そのことを忘れた頃合格の知らせが届いて、彼自身も驚いていたそうだ。そこで、彼はめでたくナミビアの領事となったのだ。

とてもおおらかな話である。ナミビアと縁もゆかりもない人が領事になれるなんて、勿論マイケルはナミビアに行ったこともない。

パーティーの話に戻そう。みな和気あいあいとパーティーを楽しんだ。おまけは何と大使夫婦が、招待者を前にしてデュエットで歌を披露したという。勿論そこにはセーシェル大統領も同席していた。

常々、私はアリースに「日本人はフォーマルで恥ずかしがり屋、その上引っ込み思案だ」と話していたので、「日本人らしくない日本人もいるのね」と彼女はメールを送ってきた。いよいよ日本人も国際的になってきたのか。

文:吉田千津子 写真:奧村森

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17 サンタアナ・ウインドは悪魔の風

                Nov.12 2019

毎年10月にロサンゼルスを訪れるが、行くたびに大きな山火事が起っている。日本でもテレビなどで報道されているから、ご存じの方も多いと思う。一度火が付くと、強風に乗ってアッという間に燃えひろがる。

「サンタアナ・ウィンド」という名前は、風が激しく吹くオレンジ郡サンタアナ・キャニオンに由来している。この風は、砂漠から南カリフォルニアの海岸を吹き抜けるのである。

サンタアナは、秋になると乾燥した暑い風が吹くことで知られる。一年中で最も暖かい圧縮加熱された空気の塊と定期的に吹く突風が相まって危険な火災気象条件を作り出すのだ。

「悪魔の風」とも呼ばれ、山火事を扇動することで悪名高い風である。この現象は通常10月にピークに達する。時には時速74マイル(40メートル)以上ハリケーン並みの突風が吹くこともある。

山火事の原因は、自然発火、タバコの火の不始末、放火などがあげられる。2019年10月の山火事は、富裕層が多く住んでいる、パシフィック・パラセイド、有名なポールゲッティー美術館の近隣、サンベルナルディーノ郡、サンタバーバラ郡等に次々と火の手が上がった。

幸運なことに被害が大きくならずに済んだようだが、山側に住んでいる人々は10月になると戦々恐々としている。ロサンゼルスではお金持ちは見晴らしの良い高い所に住む傾向にある。平地の好きな日本人とは正反対だ。

今年、日本は雨が降りすぎて千葉では大洪水となり、カリフォルニアでは干ばつで山火事となっている。世の中、なかなかうまく行かない。

文:吉田千津子 写真:奧村森

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16 雄鶏のモーリス君の勝利

                Nov.4 2019

フランス西部にあるオレロン島のサンピエール・ド・オレロンで事件は起きた。夜明けを告げるニワトリの鳴き声が、うるさくて眠れないと主張する住民が訴訟を起こしたのだ。

原告は最近、この地に別荘を取得、その隣に渦中の雄鶏のモーリス君が住んでいた。彼らの言い分は、「毎朝4時ごろからモーリスの鳴き声がうるさくて眠れない」というものだった。

それを確かめるため、県は職員を派遣しモーリスの鳴く時間と鳴き声の大きさを3日間に渡り調査した。その結果、モーリスは6時半から7時の間に断続的に鳴き、声は窓を閉めておけば、決してうるさいとは言えない音量だった。

その結果裁判所は「モーリス」には鳴く権利ありと認める判決を下した。そして原告には1千ユーロをモーリスの飼い主に賠償金として支払いを命じた。

モーリスの裁判が注目を集めた理由は、雄鶏がフランスの国鳥でもあることも一つだ。
ラテン語の「Gallus」は雄鶏とガリア人との二つの意味があり、そこからガリアがガリア人とのシンボルとなった。雄鶏はフランスのシンボル、サッカーチームのユニフォームの胸にも雄鶏のマークがあることをご存じだと思う。

多くの人たちが原告夫婦の訴えを昔から地方に根付く音や暮らしに対する攻撃ととらえている点もあげられる。カジュアルな暮らしを好む新上流階級「ボボス」ブルジョア・ボヘミアンズと田舎の住民との対立に単純化すべきではないと市長は苦言を呈する。
今日はニワトリだが、次はカモメの鳴き声や風の音、あげくは我々の訛りが攻撃のまとになりかねない。

最近問題になっているフランスでの都市と地方の住民間に広がる経済格差、大統領マクロンへの政策抗議「ジレ・ジョーヌ」(黄色いベスト運動)も核心とする問題だ。モーリスもフェイスブックの公式ページで黄色ベストを着た写真を公開している。

文:吉田千津子 写真:奧村森

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