Togyu Okumura's paintings 奧村土牛作品1928(昭和3年)39歳
一ツ木から谷町に越した。やはり丘又丘の景であった。この年の夏は殆ど雨で、取材に行くことも出来ず、雨の中を写生した。うすい胡粉で全体の調子をとりながら、見えるか見えないかの雨を一本一本描いた。今なら省くのであるが。何も雨を一本一本描く必要もないだろうと、新聞で批評された。 (文藝春秋刊『奧村土牛/自作自解』より jul.25 1979)