Lotus pond
作品『蓮池』
再興第16回院展出品
絹本彩色、額
134.4×143.0cm(文藝春秋表記)
134.8×142.8cm(北海道立近代美術館表記)
東京都現代美術館所蔵
1929
一遍蓮を描いてみたかった。
今は無いが、芝の増上寺の筋向いに
観音堂のある蓮池があった。
それを写生した。鷺は配合である。
この作品で院友になった。
この年に結婚したが、結婚する年に蓮を描くとはと、
皆に笑われた。私はあまり縁起はかつがない。
不吉なものとされる鳥に柳を配して、
横8尺縦6尺ほどの『鴉』という作品を
作ったこともあるし、小品で枯蓮を描いたこともある。
『鴉』を描いたときは、鳥屋に頼んで
手に入れた鳥を外の杭に繋いでおいた。
夜啼きして「夜啼き鳥」は
縁起が悪いと近所から苦情が来た。
(文藝春秋刊『奧村土牛/自作自解』より jul.25 1979)
| White plum 作品『白梅』 第10回中央美術展出品 絹本 75.8×86.0cm 1929
多摩川に久慈の梅林という 当時有名な梅林があった。 殆ど老木ばかりで風趣があった。 中央美術展はこれで終わった。 小品で描きいいので、 大正9年か10年頃から欠かさず出品した。
(文藝春秋刊『奧村土牛/自作自解』より jul.25 1979)
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