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父と私
Father and me
文:奧村森

この連載シリーズは毎回、A4版で10枚程度の記事と写真で構成しています。
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疎開生活

 合名会社のある場所は、千曲川沿いにあり、西方に八ヶ岳、晴れた日には浅間山と富士山も眺望できる風光明媚な場所である。佐久穂積村は臼田よりもっと田舎、村の端から端まで1キロメートルほどしかなかったが、それでも僕にとっては全世界であり広く感じられた。父がある日、長男、昭に大きな荷物を持たせて佐久穂積に帰ってきた。荷物を開けてみると、ペダル式のおもちゃ自動車と三輪車であった。戦中戦後の混乱期で何ひとつおもちゃに触れていない僕を気遣い、大枚を叩いて購入したものと思われる。佐久穂積村の子供達にとって初めて見る珍しい物だったから、僕は一躍人気者になり、みんな代わる代わる乗って遊んだ。 資料作成日 Jun.23 2019


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