27 郷に入れば郷に従え

            左がチズちゃん、右が紀子さん

大きく広がる赤土の大地、明るい太陽と人なつっこい人柄はチズちゃんが外国人だということを忘れさせてくれる。日本に比べて金銭的には裕福とは言えないけれど心が温かくて、すぐにAmigo(友達)になってしまう文化をチズちゃんはとても気に入った。

日本にいるときから、軒下文化と島国根性、全体主義の社会にうんざりしていたチズちゃんは自由で温かいブラジル人、ブラジル人の大好きな言葉Calor Humano(カロール・ウマーノ / 人間的温かさ)を聞くたびに、これこそがブラジル人の一番大切にしている魂かもしれないと考えた。

ポルトアレグレに住み始めて、数少ない日本人を紹介されたよ。副総領事の家族。その夫人と娘さんの紀子さん。紀子さんはチズちゃんより少し年上できゃしゃで典型的な大和撫子タイプ。チズちゃんとは正反対。チズちゃんはしょっちゅうお世話になってた。お食事をご馳走になったりね。

ポルトアレグにはカトリック系の私立と国立大学がある。私立大学は上智大学と提携、何人かの日本人学生が留学してたの。紀子さんは、その学生たちと友達だったのでチズちゃんも誘われ、一緒にダンスパーティー行ったんだよ。ブラジルのパーティーは始まるのが夜の10時頃からと遅い。

チズちゃんは日本人だから時間どうりに行くでしょ、そうすると誰もその時間には来てないの。やっと11頃になると人が集まり12時頃には大盛況。朝まで踊り続けて、何時も朝帰り。でも、チズちゃんのお父さんは怒らなかった。郷に入れば郷に従えだって。これが日本だったら大目玉。三毛猫タヌー

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