53 チズちゃん、ヴァリグ・ブラジル航空に採用される

数カ月間、英字新聞をチェックしながら待っていた。ある日、とうとうその時がやって来た。募集資格は英語、ポルトガル語(またはスペイン語)が話せる事。その頃は応募要項に必ず容姿端麗(今は禁止されている)と書かれているのが常だったが外国の企業ゆえ、その文言が無かったのが嬉しかった。

早速、すでに用意してあった履歴書を東京本社まで送った。まず、書類審査で通ったら電話で知らせてもらえるとの事だった。そして数週間後知らせが来た。書類審査合格。気の早いチズちゃんは大喜びだった。まだ、書類審査がパスしただけだというのに。次は東京本社での面接だ。

一週間ほどして、東京本社から面接に関する書類が届いた。そこには面接の日時とブラジルから客室乗務員担当のドナ・リリアンという人と東京本社の部長が応募者をインタビューすることが書かれていた。わー、とうとうその時がやってきたとチズちゃんは不安と期待が入り混じった複雑な思いだった。

とうとうインタビューの日がやってきた。チズちゃんは新大阪で新幹線に乗り東京駅から歩いて大手町にある旧丸の内ホテルに向かった。その8階にヴァリグ・ブラジル航空の東京本社があった。チズちゃんは期待と不安でドキドキしていた。事務所に着くと何人かの応募者がすでに待っていた。

順番が来てチズちゃんは部屋に入った。そこにはドナ・リリアンと部長が座っていた。まず、挨拶をしてからドナ・リリアンが「なぜ、客室乗務員になりたいのか」と質問した。チズちゃんはブラジルが好きで、この仕事は旅も出来るし色んな人と会える。そして人のお世話をするのも好きだからと答えた。

無事インタビューは終わった。そこに来ていた応募者と話をすると、大半の人はスペイン語で応募、ポルトガル語を話す人は居なかった。結果は2~3週間後いうことになった。もし、採用が決まればチズちゃん達日本人の乗務員はロスアンゼルスをベースに、東京とロス間でフライトをすることになる。

チズちゃんは郵送で届く予定の合否通知を待って、毎日ポストが気になって仕方がなかった。もし、ダメだったらどうしようか。ろくでもない想像ばかりが頭をよぎった。もし合格したら、もう一度東京まで行く必要があるなどいろいろ考え、落ち着かなかった。

ついに航空会社からの手紙が届いた。「おめでとうございます。厳選な審査の結果、貴女は採用されました」との手紙。嬉しくて誰かに伝えたかったけど、チズちゃんの両親はまだブラジル、仕方なく弟に話したがそっけない返事。ま~いいか、一年も経たないで大好きなブラジルに戻れるのだから。三毛猫タヌー

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