57 チズちゃんが人生で一番勉強した頃

  Curso dos comissarios Varig Airlines Rio de Janeiro チズちゃんと同僚たち

授業は朝早くから夕方まで毎日。ジャングルに不時着した時の生き延びる方法、植物からの水の確保。ジボイア、ジャララッカという毒蛇の名前を憶えたり、海での救命方法、救命ボートでの座り方、機内からシューターを使った避難の仕方。怪我をした時や骨折をした時の添え木の当て方などを学んだ。

チズちゃんはガムシャラに習った事を覚えようとするが、何しろ医療用語や専門用語が山ほど出てきて、おまけにポルトガル語だから頭が破裂しそうになる。おまけにテストもあるからボーっとしてはいられない。こんなに勉強をしたことは、これまでチズちゃんの人生にはなかった。

リオでの訓練中の宿舎はレブロン地区にある尼僧経営の宿舎で地方や外国から来ている女子はそこで寝泊りしていた。朝食と夕食付きで、昼食は会社の食堂で食べた。宿舎の前には大きな公園があり、そこでは休日「ヒッピー市」が開かれ、絵画や手工芸品、木製の厚底手作りサンダルなどを売っていた。

三か月間の訓練中、土曜日と日曜日はお休み。ブラジル人達はコパカバーナやレブロン海岸で日光浴に余念がなかった。特にブラジル南部ポルトアレグレから来ていた数人の女の子達は白い肌を恥ずかしがっていたから、絶対にビーチに行って小麦色の肌を手に入れたいと願い、毎週欠かさず行っていた。

もちろん、チズちゃんは以前ブラジルに住んでいた頃、日光浴で酷い目にあって死にそうになった経験があったので、ビーチには近づかなかった。皆はせっかくリオにいるのにモッタイナイとビーチに行かないチズちゃんを怪訝に思った。それよりチズちゃんには憶えなければならない事が山程ある。三毛猫タヌー

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