113 空港グランドスタッフの仕事を辞める

チズちゃんは、ヴァリグ航空での地上係員の仕事を一年余りでやめることにした。というのは一緒に働いているポルトガル人の女係員が何をするにもチズちゃんを目の敵にして、ついには自分のミスをチズちゃんのせいにしたのが最後、とうとうチズちゃんの堪忍袋の緒が切れてしまった。

すでに離婚問題を抱えている上に、これ以上ストレスをためるのは不本意だ。気分の悪い思いをしてまでする仕事でもない。一人の生活だから何とかなる。何年かは働かなくても生活できるだけの蓄えもある。そんなに我慢する必要はないと思ったので会社を辞めることにした。

10年以上フライトアテンダントとして働き、直ぐに空港グランドスタッフの仕事を始めたので、ほとんどゆっくり休む暇もなかった。のんびりするのも悪くはないと考えた。以前、大きな決断をする時には、自分の居る場所から離れると、何をすべきかが見えてくるという話を聞いたことがあった。

チズちゃんは、テリーの叔母さんが住むドイツに一人で行くことにした。チズちゃんは叔母さんのことが大好きで、とても気が合った。フランクフルトにはUCLA・エクステンションで知り合ったドイツ人夫婦のリサとティルマンも居て、以前から遊びにおいでと誘われていた。

ドンちゃんの世話は隣のシャーロンにお願いした。彼女は犬のボーガードと猫のミスティーを飼っていた。ドンちゃんが留守番でつまらなくなると、高い塀を飛び越えて脱走する癖があった。近くの公園に行くのを知っていたシャーロンは、何時もドンちゃんが何処に居るかを知っていたので安心だった。

ドイツに行った時期は10月でオクトーバーフェストの真最中だった。ロスからルフトハンザ航空の子会社チャーター専用機コンドール航空に乗ってフランクフルトに飛んだ。フライトはオクトーバーフェスト観光に行くドイツ人で満席だった。その中にポツンと一人東洋人のチズちゃんが座っていた。三毛猫タヌー

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