114 ドイツの友人、リサとティルマンとオクトーバーフェスト

今までと違う環境に身を置くと物事をもっと客観的に考えることができるような気がする。テリーの叔母さんも再会を喜んでくれてチズちゃんとテリーの関係を心配してくれていた。翌日リサとティルマンに連絡をするとフランクフルトの駅まで迎えに行ってあげるからいらっしゃいと快く言ってくれた。

フランクフルトに着いた晩はリサのアパートに泊まり、久しぶりの再会に話に花が咲き真夜中まで3人で話し込んだ。次の日は、リサの友人達が自転車でライン河沿いにある町々を回り、その町で作られているワインを飲みながらツアーするので、チズちゃんも一緒に行かないかと誘われた。

チズちゃんは一緒に行くことにした。本当のオクトーバーフェストを体験してみたいと常々思っていたので興味津々だった。次の朝チズちゃん、リサ、ティルマンは友人の家に朝8時に集合。みんなチズちゃんよりは若い人達で1歳と2歳位の赤ちゃん二人も一緒に自転車ツアーに一日中参加するという。

日本では、こんな小さな赤ちゃんを連れて一日中自転車ツアーをするなんて聞いたことがない。やはりドイツ人の生命力はすごいと感心した。まず、畑の中をライン河に向かってどんどんと進み途中原っぱにシートを敷いてパンとワインとチーズの昼食をとった。

昼食後、チズちゃん達の自転車ツアーグループはライン河畔に到着すると、そこにはスタンドがありペナント型の三角形の旗がたなびいていた。スタンドでは近くの畑で収穫したワインを8センチほどの小さなグラスに入れて飲ませてくれる。グラスには町の名前とワイン名と町の紋章が描かれている。

初めは美味しいワインを飲みながら楽しく自転車に乗っていたが、何件ものスタンドを回ると、いくら味見程度しか飲まなくても酔いはまわってくる。チズちゃんはお酒を飲んでも全然赤くならないタイプ、父親ゆずりでお酒には強い方だが、さすがにワインの梯子はドイツ人にはかなわない。

ツアーの途中で、こんなに長時間で強行軍だとは思わなかった。後悔したが後のまつり。帰りは近道をするというので自転車をかかえて山道を歩く羽目に。自転車の漕ぎすぎでお尻の皮は痛くサドルにお尻を接触することもままならない。

途中自転車をかつぐのを少し手伝ってもらったものの、最後には泣きそうになりながら家に帰りついたのは、夜の8時を過ぎていた。これ以後ドイツ人との自転車ツアーを思い出すと、何時もお尻が痛かった記憶が蘇る。

翌朝起き上がるのも大変で体中の筋肉が痛く、ロボットのような恰好で歩く羽目になった。それでも夜になるとリサとティルマンがホットワインやアプフェルワインを飲みに行こうと近くの居酒屋に誘ってくれ、筋肉痛の身体で一緒に出掛けた。赤のホットワインは身体が温まりとても美味しかった。三毛猫タヌー

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