フランス旅行顛末記 9

           St Malo’s Beach サン・マロの浜辺

St Malo サン・マロ

2011年5月19日、朝早く海辺に出ると風が冷たかった。日中は暖いが朝夕は肌寒い。海岸沿の道を歩いていると、静かな浜辺にワイワイガヤガヤと声が聞こえる。その方向に行ってみると、グループの老若男女全員、黒白の縞のTシャツを着て砂浜に集まっていた。
尋ねてみるとプロバンスからやって来たサッカー同好会の面々だという。みな砂浜で何をするでもなく楽しそうにワイワイ語らっている。昼食は旧市街で、そば粉のガレット、具はラタトーユとサラミ、それに紅茶。フランスでは、ティーバッグの紅茶でもエクスプレッソの倍の値段がするのには驚く。
フランスの紅茶は高いので絶対に飲まないと決めていたのに、またオーダーしてしまった。2人で28ユーロだった。昼食後ホテルに帰る。今晩はマドレーヌ地区にある、今泊まっているホテルと同じ系列のホテルに移らなければならない。というのも今晩、このホテルは満室になるので仕方ない。
海岸近くから C-1 の La Saulaire 行のバスに乗って終点まで行くと、そこがマドレーヌ地区、15番目の駅だ。料金は1.20ユーロとパリの地下鉄回数券(カルネ)と同じ料金だ。パリの地下鉄とバス料金は一律で、日本と違いどんなに乗っても乗り継いでも駅から出なければ同じ料金なので嬉しい。
バスはどんどんと内陸に向かって進む。やっと到着したところはショッピングセンターだけでホテルは見当たらない。花屋のおばさんに尋ねてみたが判らない。仕方なく荷物をひきながら、目の前に見える動物病院で聞くことにした。病院の先生はとても親切で、外にまで出てきて説明をしてくれた。
私達の探しているホテルはショッピングセンターの反対側の敷地内にあるという。よーく目をこらして見ると奥の方にオレンジ色のそれらしき建物がわずかに見えた。やっと到着。ここの受付は親切だ。よく観察すると、このホテルは商業地区のショッピングセンターのど真中にある。
観光客が絶対に来そうもない場所だ。とんだ所へ来てしまった。モンパルナス駅でホテルの予約をする時に3ツ星か2ツ星かと聞かれた時、「もちろん、2ツ星ホテルよ」とけちんぼの私が答えてしまったのが悪かった。そのせいで観光地ではない地区を紹介されてしまった。後の祭りである。
窓からの眺めは広大な駐車場が見渡せ、左手にはスーパーマーケット・カルフール、右手にはメルセデスベンツの工場の旗が風にたなびいている。おまけに泊まり客はビジネスマンばかりでほとんど男の人だ。宿泊費は76ユーロと安い。
「まっ、いいか」スーパーマーケット好きの私は半日スーパーめぐりをすることにした。どこの国に行ってもスーパーマケットに行くと、その国の生活が見えるので楽しい。反対に相棒は買物ぎらいなので不満そうだったが、他の選択はない。もう来てしまったので仕方ない。
車もないし、スーパーやショッピングセンターの中をゆっくり時間をかけて午後を過ごす。昼食はガレットを食べたので、夜は倹約してカルフールでヨーグルト、ハム、バゲット、箱一杯のマッシュルーム、20個以上の束になったラデッシュ、それにドレッシングで6.20ユーロなり。
スーパーで食物を買うと割安で、旅で不足しがちな野菜も沢山とれるので健康的。水1.5リットルボトル2本をサンマロの町中で手に入れておいた。というのもフランスでは日本のように何処にでもコンビニはなく、特に地方に行くとほとんどない。見つけた時に購入しておかないと買いそびれる。
乾燥気候のフランスではノドが渇くので水は必需品。友人のフランス人は水道の水を平気でガブガブ飲んでいるが、カルシュウムが多いので避けた方が良い。そのせいかフランスやドイツでは余り日本人のようにお風呂に浸からない、石鹸も日本のようには泡立たない。明日はやっとパリに帰れる。
文:吉田千津子 写真:奥村森
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