フランス旅行顛末記 12

        Le Dome Montparnasse カフェ ドーム モンパルナス

モンパルナス

2011年5月23日、あと2日で帰国だ。これまで泊めてもらったクロード宅を出て、今日から HOTEL Concorde Monparnasse に滞在する。クロードにタクシーを呼んでもらいホテルに向かおうと荷物をトランクに入れていると、向こうから先日撮影させてもらったアトリエの先生、マリアンヌがやって来た。

私達が2日後に帰国することを告げると、マリアンヌは「Bon Voyage」とハグをした。帰国したら撮った写真を送ることを約束して別れた。アレジアから15分ほどでホテルに着いた。HOTEL Concorde Monparnasse は、今回フランスで私達が泊まったホテルの中では唯一の4つ星ホテルである。

旅の最後は、少し豪華にと思いオンラインで通常よりも格安で手に入れた4つ星ホテルHOTEL Concorde Monparnasse。その証拠にホテル内で日本人の観光客を沢山見かけた。こちらに来てから、まだ一度も食べていなかった大好きなクスクスを食べに行くことにした。

地下鉄 Monparnasse 駅前にあるクスクス屋に入る、店内は観光客で一杯。失敗したと思ったが後の祭り。テーブルとテーブルの間は物凄く狭く、席を立つのにウェイターを呼んでテーブルを動かさなければ出られない。注文した料理は味気のないものだった。そのくせ値段は安くはない。

2人ともクスクスにガッカリしてレストランを出る。やはり観光客目当てのレストランに美味しい店はないことを認識。気をとりなおして、Funac に行くことにした。この店は日本では家電量販店のような所で規模は大きくはないが一応の電化製品は揃っている。

かねがねフランス語のキーボードが欲しかったので、Funacで探すことにした。店員に聞くと外国語用キーボードはあるがフランス語はないという。私にとってフランス語は外国語だが、フランスでは国語である。コンピュータも一緒に買えばあるのだが、キーボードだけは売ってないというので諦めた。

地下鉄で HOTEL de Ville までゆき、クロードから『Paris au temps des impressionnistes(パリ・印象派の時)』という展覧会がパリ市庁舎で無料公開されていると聞いていたので鑑賞することにした。展覧会場の入口まで行くと、もう列が出来ている。

『Paris au temps des impressionnistes(パリ・印象派の時)』の館内では入場制限をしているので、ゆっくりと人の頭を気にせずに鑑賞できたのはよかった。モネをはじめとする印象派の絵画作品、デッサン、建築資料など、当時のパリとアールヌーヴォーの時代を彷彿とさせる展覧会だった。

『Paris au temps des impressionnistes(パリ・印象派の時)』展で、猫好きの私はTheophile Alexandre Steinlen(テオフィル・アレクサンドル・スタンラン)作品、猫の絵のグラフィックが気に入ったので、絵ハガキを2~3枚購入した。 

ホテルはモンパルナス駅から直ぐの所にあった。夕方、ホテルに帰る前に向かい側にあるミニマーケットで夕食用のハム、チーズ、バゲット、水を買おうと入った。このあたりにはホテルが多いので大盛況だ。買った物をカゴに入れレジに向かっていると「済みませ~ん」と日本語が聞こえて来た。

マーケット店内で日本人の女性が私の持っている水を指差して「その水、何処にありましたか」と尋ねた。教えてあげると、とても喜んで「ありがとうございます、助かりました」と丁寧にお礼をいわれた。海外で日本人の観光客同士が出会うと、何故か無視するか知らんぷりする傾向がある。

しかし、マーケットで会った日本人女性は、とても自然で感じが良かった。その後相棒は、彼女とその友人達と話しが弾んだ。彼女達は団体旅行でやってきて、私達と同じホテルに今晩宿泊するという。明日は、朝5時に出発するそうだ。

日本人ツアー客は、何しろバスで朝早くから夜遅くまで移動するので自由時間がほとんどなく、お疲れの様子だった。でも、地元のミニマーケットでお買いものをするのは、とても楽しいと話していた。Chizu

盛りだくさんの日本のツアーで一度も旅行したことのない私達は、彼女達が元気で無事に日本に帰国して欲しいと思った。ホテルの糊のきいた真っ白なシーツ、きれいなバスタブで今日はゆっくりと疲れをいやそう。やっぱり四つ星ホテルはいいな~。

文:吉田千津子 写真:奥村森

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