12 アメリカの経済対策

            American House アメリカの家

2010年9月29日から一週間、ロスアンゼルスに行ってきた。毎年2回のアメリカ旅行は恒例となっている。着いた週の月曜日は華氏113度(摂氏44度)を記録したという。カルフォルニアは日本と違い乾燥しているので湿気の多い日本の44度とは違うが、それでも市街では初めてのことだという。日本も2010年の夏は猛暑だったので、世界中異常気象になっていることは間違いない。

アメリカも日本と変わらず、不景気風が吹いている。6ヶ月前には大型家電店だった店が、今回行ってみるとスーパーマーケットになっていた。ところが週末のファミリーレストランのブランチは大変なにぎわいで、何処が不景気なのかと目を疑ってしまう。日本もファーストフード店は不況しらずと聞く。

夕方、ニュースをみているとコンベンション・センターに朝から珍しく大勢の人がつめかけて、長蛇の列をつくっている。彼等は家のローンが払えなかったり、2~3ヶ月延滞していて、このままだと家を失ってしまう人達だ。プライムローンやリーマンショック、様々な問題が起こるなかでレイオフされたり、職を失うアメリカ人が増えている。

この人達を救済するために9月30日から数日間、国が銀行と交渉し救済対策を講じたのだ。例えば、10年前に家を購入した人の金利は5%だったが、今は2.5%から1.5%になっている。それに家の価値も以前よりも下がっているので銀行と話し合い、現在の家の価値に見合った支払いと金利の見直しをすることによって、毎月のローン額を下げ、家を失う人々を救おうという作戦だ。

家がフォルクロージャー(差し押さえ)になってしまうと、ますます不景気におちいるからだ。インタビューされた主婦は「これで、毎月1千ドルもローンが減って、家を失う心配がなくなりホットしています」と答えていた。

日本の新聞には、今日も競売物件の知らせが載っている。日本政府も、こんな粋な計らいをする国家になったら競売にかかる家も減り、ローンの支払いに困っている人々を少しでも助けることが出来るのではないかと思った。

文:吉田千津子 写真:奥村森

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