9 保護猫広場ラブとハッピー

       Hacchi 保護猫広場ラブとハッピーの看板猫 ハッチ

2015年11月20日、「保護猫広場ラブとハッピー」が東京都日野市南平にオープンした。保護猫広場を主宰する酒井裕見子さんが、猫の保護を始めたのは2000年の事件がきっかけだった。

2匹のノラが虐待され、3本足になった猫事件からだ。その中の1匹は、お腹に子を身ごもっていた。後に、この猫たちをラブとハッピーと皆が呼ぶようになり、それに因んで施設の名称とした。

ひとりでも多くの人に、猫を大切にする気もちを持って欲しい、1匹でも多くの猫を救いたい。これ以上ノラが増えないよう去勢手術を施し、傷を負った猫たちの治療に努めた。同じ活動をする仲間との交流も深まり、情報交換や助け合いも活発になった。

ネットワークのなかに「きもと動物病院」の木本先生がいた。開業時から保護猫値段を設定、安価で去勢やワクチン注射をしてくれたので助かった。だが、酒井さんは活動に限界を感じ始めていた。その頃、近隣で同じ活動をする動物管理責任者の資格を持つ舟崎真理さんを始めとする仲間達と出会った。

すでに酒井さんと舟崎さんの家には、多数の保護猫で溢れ、もう限界だった。同じ目的をもった者同士が意気投合、保護猫広場を設立することにした。

まずは施設の場所探し、余程の理解者でない限り貸して貰えないと覚悟はしていた。しかし、たまたま訪れた動物好きの不動産屋さんが、同じく動物好きのビル所有者、多田眞砂子さんを紹介してくれた。

次に、第一種動物取扱登録書や動物取扱標識などを東京都から認可を得なくてはならない。こちらも既に日野市三沢で保護施設を運営していた「にゃんぷく」の八木さんが懇切丁寧に教えてくれたのでスムーズに手続きが進んだ。

開設するやいなや、保護されたノラが次々と運ばれてきた。最初は険しい表情をしていた猫たちも、時の経過と共に驚くほどゆったりとして優しい表情に変わっていく。痛々しい傷跡だけが過去の厳しい生活を推測させた。

ラブとハッピーの気もちが人の輪を作り、出来上がった保護猫広場、これからの活動は里親会の随時開催、ペットホテル運営、猫の一時預かりと生涯預かり、捕獲相談などがメインだが、寄付だけに頼らず独自の営業展開で定収入確保を目指すため、猫カフェや手作りグッズの販売も手掛ける。

里親は、届けることが可能な地区に限定、これは猫の住環境をチェックするためだ。高齢者の場合は、その猫を引き取り継承できる家族がいること。厳しい制約だが、これも猫たちの将来を思っての優しい心遣いである。

保護猫広場ラブとハッピー ホームページ
http://lovetohappy.com/

文と写真:奥村森

(重要)ここに掲載する記事、写真等は全て著作物です。著作権法に従って無断転載を禁止します。記事を利用される方はご連絡お願い致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です