17 サンタアナ・ウインドは悪魔の風

                Nov.12 2019

毎年10月にロサンゼルスを訪れるが、行くたびに大きな山火事が起っている。日本でもテレビなどで報道されているから、ご存じの方も多いと思う。一度火が付くと、強風に乗ってアッという間に燃えひろがる。

「サンタアナ・ウィンド」という名前は、風が激しく吹くオレンジ郡サンタアナ・キャニオンに由来している。この風は、砂漠から南カリフォルニアの海岸を吹き抜けるのである。

サンタアナは、秋になると乾燥した暑い風が吹くことで知られる。一年中で最も暖かい圧縮加熱された空気の塊と定期的に吹く突風が相まって危険な火災気象条件を作り出すのだ。

「悪魔の風」とも呼ばれ、山火事を扇動することで悪名高い風である。この現象は通常10月にピークに達する。時には時速74マイル(40メートル)以上ハリケーン並みの突風が吹くこともある。

山火事の原因は、自然発火、タバコの火の不始末、放火などがあげられる。2019年10月の山火事は、富裕層が多く住んでいる、パシフィック・パラセイド、有名なポールゲッティー美術館の近隣、サンベルナルディーノ郡、サンタバーバラ郡等に次々と火の手が上がった。

幸運なことに被害が大きくならずに済んだようだが、山側に住んでいる人々は10月になると戦々恐々としている。ロサンゼルスではお金持ちは見晴らしの良い高い所に住む傾向にある。平地の好きな日本人とは正反対だ。

今年、日本は雨が降りすぎて千葉では大洪水となり、カリフォルニアでは干ばつで山火事となっている。世の中、なかなかうまく行かない。

文:吉田千津子 写真:奧村森

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