39 サンタレンの「食と工芸の祭典」

今日もポルトガル晴れで気分爽快。サンタレンで「ポルトガル・食の祭典」が開かれるというので出掛けることにする。春子はまだ寝ているようなので、お別れのメッセージをドアの下に入れておく。いよいよ彼女だけが帰国する。

10時の約束なので2時間の余裕をみて出掛ける。道路も舗装され広く空いていたので、100キロの道程を1時間ちょっとで着いてしまった。町には着いたものの、ポスターも貼ってないので何処が会場なのかわからない。道行く人に尋ねると、例によって「あっ、それならあそこだよ」といとも簡単に応える。

      Scenery of town & Entrance 街の風景と「食の祭典」入口

案内を信じて行ってみると、何処にも会場らしき場所が見当たらないばかりか家並みも少なくなっていく。ラテン系の人と付き合ったことのない奥村さんは「いいかげんなことばかり言って、無責任も甚だしい」とイライラしている。5人目で、やっとお目当ての場所に着いた。

日本人は道を聞かれても知らない時は知らないと答えるが、ポルトガル人は何か言わないと悪いと思うようで「あっちだ、こっちだ」と必ず親切心から応えるのだ。「これもお国柄」とラテンの国、ブラジルで暮らしたことのある私は寛容でいられるのだが。

会場は、町はずれの公園の一角にあった。10時の会場まで少し時間があるので、近くのバール(立ち飲みコーヒー店)で時間を潰すことにする。10時になっても門が開く気配もない。門番に尋ねると、「開場は12時です」と言う。あと2時間も待たなくてはならない。ラテンびいきの私でも、そんなには我慢できない。

主催者と交渉して、写真だけでも先に撮らせてもらうことにする。あっさり許可も下り会場に入ると、ポルトガル各地からやって来た料理人や工芸職人が忙しそうに準備に取りかかっている。工芸コーナーに目をやると、カゴを編む人、刺繍をする人、革製品を作る人、様々だ。

       Exhibition hal & Artisan of craft 展示会場と工芸職人

コルク樫で作った蜂蜜用の飼育箱は、ポルトガルならではの商品で実に面白い。料理コーナーでは、ミーニョ、セントロ、リバテイロ、アレンテージョ、ナザレ地方の自慢料理が出店されている。どれも美味しそうな匂いがする。

昼食は、観光局のセニョール・ロステイロが招待してくれた。前菜は小エビをゆでたもの、それに見たこともないカメの手形をしたバケモノ料理。私は、ロステイロに「これカメの手なの」と聞いてみる。彼は「これはペルセベスと言って磯の岩につく生物だよ」と笑いながら応える。見てくれはグロテスクだが味はなかなかの物。山盛りのペルセベスは、あっという間になくなった。後に、この生物は九州のある地方でも食べるらしいことを新聞で読んだ。

     Local dish of Alentejo Presunto de Barrancos &Boiled shrimp
     アレンテージョ地方郷土料理 生ハム+ワイン&海老料理
         Local dish of Tomar Bucho Recheado & Sausage
      トマール郷土料理 豚とパンとハムの詰めもの&ソーセージ

次は、大きな伊勢エビが1人に1匹ずつ。同じテーブルで食事をしているロステイロとラジオニュース記者は、驚くほど綺麗に伊勢エビを食べる。私と奥村さんは、伊勢エビの内側に沢山の身がついているのに上手く食べられない。ラジオ二ュース記者は、小さな口をしているので「おちょぼ口さん」と私は命名、奥村さんは、彼を「ミスター伊勢エビ」と名付けた。彼ほど伊勢海老をきれいに食べる名人を見たことがないからだ。

      Local dish of Alentejo Pasteis de Bacalhau & Bacalhau Frito
             Local confectionery of Pinhao
アレンテージョ地方郷土料理 鱈のコロッケとフライ&ピニョンの松の実と蜂蜜の菓子
       Stewed pork ear & Local dish of Ribatejo Fish soup
      豚の耳の煮込み&リバテージョ地方郷土料理 魚のスープ

海老の後は子牛と野菜の煮もの、そしてデザート。その量たるや尋常ではない。ロステイロとミスター伊勢エビは、呆れるほど良く食べる。子牛のメインディッシュをおかわりして、2人前をペロッと平らげた。驚くべき胃袋だ。

  Local dish of Aveiro Fried eel & Local confectionery of Tomar Rice pudding
    アヴェイロ郷土料理 うなぎの唐揚&トマールのライスプディング

会食では町の名士がつぎつぎと挨拶しているが、余りに長いスピーチなので誰も聞かずに「ワイワイ、ガヤカヤ」とお喋りに華が咲いている。昼食会は、1時から4時まで延々と続いた。私たちのお腹は、破裂せんばかりに脹らみ歩くことすら難儀に感じる。

               Folk dance 民族舞踊

食後のはらごなしで、テージョ河のほとりにあるカネイラスという漁師町を見学する。この町の家屋は、洪水や豪雨で家が流されたり浸水したりしないように床が1メートル50センチほど高く建てられている高床式住居だ。すべて木造家屋で夕涼み用のベランダが備えつけられている。庭では、黄色いコーンを日干している。

奥村さんが写真を撮りに近づくと、子供が大声で「私にインタビューをしてよ」と迫ってくる。子供に弱い奥村さんは、仕方なく子供を写すハメになる。ロステイロがいろいろ案内してくれるのは有難いが、彼は煙突のようにタバコを吸うチェーンスモーカーなので車に同乗していると息苦しくてたまらない。

彼曰く「20歳代は2箱、30歳代になると健康に気をつけて1日1箱に減らしたんだ」と変な理屈を言う。健康に気をつけているのなら、タバコなんか吸わなければ良いのにと私は思う。ポルトガルの喫煙家は食欲と同様でとどまるところを知らない。

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