ラジオをきいていたら大崎にある有名ラーメン店が、大繁盛を理由に閉店するという。とても変な話なのでよくよくきいてみると、毎日沢山の客がつめかけ長蛇の列ができる。待ち時間が1~2時間は普通、近所からは「喧しい、タバコをポイ捨てして道路を汚す」など店に苦情が相ついだことが原因だという。
それにしても日本人は行列をして待つのが好きらしい。炎天下でも木枯らし吹きすさぶ冬でも。デパ地下でもよく行列を目にする。その先には焼きたてのパン、作りたてのケーキ、限定品の食品などがある。
私の義理の妹は長い行列を見つけると必ず並ぶのだという、先に何があるのか分からなくても、まるで食料事情の悪い国のようだ。私も食べることは大好きだが、長蛇の列なら他に行く。また次の機会でも別にかまわないからだ。
長年住んでいたロスアンゼルスでは、日本で見るような長蛇の列をレストランでは見たことがなかった。週末は何処のレストランでも平日より大勢の客が詰めかけるが、待つのはレストラン内(椅子が備え付けてある)かレストランに併設されているバーで何かを飲みながら待つ場合が多い。
しかし、最近異変が起きている。ロスアンゼルス郊外のアルカディア(中国人のビバリールズと呼ばれている)の中華レストランの状況はちょっと違う。土、日曜日ともなると日本と同じように長蛇の列がレストランの外まで伸びている。1時間待ちも、ものともせずに並んでいる。
日本人と中国人に共通するアジア人特有の忍耐強い性格が行列をつくらせているのかもしれない。そういえば、私はとてもせっかちなので行列アレルギーである。行列に並ぶべきか否かは私にとっては問題ではない。
文:吉田千津子 写真:奥村森
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