皆さんはセーシェルという国をご存じだろうか。セーシェルは、1976年にイギリスから独立してセーシェル共和国となった。アフリカ大陸のケニアとタンザニアの東に位置し、南にはモーリシャス、レユニオン、マダガスカルなどがある。
115の様々な島からなり、インド洋に浮かぶ美しい島だ。首都はマエ島にあるヴィクトリア、人口は約9万人。大部分の人々はこの島に住んでいる。人種としてはインド系、中国系、それにクレオール(白人と奴隷との混血)と呼ばれる人々で構成される。
先週、ロサンゼルスの友人アリースから、メールでセーシェルの最新ニュースが送られて来た。それによると最近、セーシェルに日本大使館が開設され、お披露目のカクテルパーティーが催されという。
それに彼女の妹夫婦ローズとマイケルが招待された。ローズは若い頃にドイツに渡り、そこでドイツ人のマイケルと知り合い結婚。その後二人とも早期退職をしてセーシェルに移り住み、丘の上に家を建てて優雅に暮らしている。
今年になってマイケルはアフリカ・ナミビアの領事に任命されたのである。何故ドイツ人のマイケルがナミビア人でもないのにどうして領事になったのか、不思議に思いアリースに事の次第を訊ねてみた。
それによると2,3年前にナミビアの領事になりたい人の募集があり、マイケルはそれに応募していたのだ。しかし、そのことを忘れた頃合格の知らせが届いて、彼自身も驚いていたそうだ。そこで、彼はめでたくナミビアの領事となったのだ。
とてもおおらかな話である。ナミビアと縁もゆかりもない人が領事になれるなんて、勿論マイケルはナミビアに行ったこともない。
パーティーの話に戻そう。みな和気あいあいとパーティーを楽しんだ。おまけは何と大使夫婦が、招待者を前にしてデュエットで歌を披露したという。勿論そこにはセーシェル大統領も同席していた。
常々、私はアリースに「日本人はフォーマルで恥ずかしがり屋、その上引っ込み思案だ」と話していたので、「日本人らしくない日本人もいるのね」と彼女はメールを送ってきた。いよいよ日本人も国際的になってきたのか。
文:吉田千津子 写真:奧村森
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