1950年 作品『軍鶏』

「軍鶏は前にも描いたことがあるが、これは軍鶏の強さと大きさを心に入れて描いた。熱海の来宮の知人の家で写生した」土牛談。終戦後、日本人の誰もが耐え忍ばなくてはならない時代だった。土牛は軍鶏のように強くありたい心中を描いたんだね。奧村土牛研究員クロ

                 作品『軍鶏』

養鶏家の窪田幸子さんによると、右の軍鶏は戦闘態勢にある姿だという。そして、腿と腹の羽がむけているという事は、日頃激しい闘争を繰り返してきた証拠。 斜めの視線は敵を警戒をし、首を下げているのは飛びかかるタイミングを計る姿勢だ。しかしながら、軍鶏はとても優しい家族愛に満ちた一面もあるとコメントしている。本当に強いのは左の軍鶏である。表情が穏やかで堂々としている。土牛は、そんな姿に憧れ、二羽を対比して強さを表現したかったのであろう。奧村森

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