61 初めてのフライト

リオからの初フライトはアルゼンチンのブエノスアイレスだった。リオは一年中暑く、8月になると少しは涼しくはなるものの海岸では日光浴を出来るほど。まず、会社のバスでガレオン空港まで行き、全員のミーティングが終わると準備のために機内に入るが、機内はまだ冷房は付けられていない。

滝のような汗で制服がビショビショになりながら飲み物や機内のチェック、デモ用の救命胴衣の用意をする。ガレーでは担当の乗務員が機内食の数を確認して、コーヒーを作る。ブラジルはコーヒーの国だからVarig航空ではインスタントコーヒーを使わない、ちゃんと布で濾して作るので時間がかかる。

コーヒーの香りが好きなチズちゃんだが、その香りがすると吐き気をもよおすほど初フライトは緊張していた。お客様が搭乗するとすぐにおしぼりと大きなお盆にキャンディーをのせ配る。今はフライト前のキャンディーのサービスはどの航空会社もしていないが、その頃はこのサービスは定番だった。

救命胴衣のデモンストレーション後、飛行機は離陸体制へと入る。数時間後、ブエノスアイレスに到着。ここでの待ち時間は少ないので機内で少し休んでから、またリオへ引き返す。とんぼ返りのフライト。南米線でのフライトはモンテビデオ、アスンシオン、ブエノスアイレス、サンティアゴがあった。三毛猫タヌー

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