58 訓練で出産のお手伝い

訓練の一環として病院の産婦人科に行き、出産の介助をする授業があった。皆、初めての経験なので緊張してソワソワしていた。分娩室に入ると30代のお母さんがヒーヒーハーハーと看護婦さんに促されながら呼吸をしている。何分かすると苦しそうな声と共に赤ちゃんの頭が見えた。皆は息をのんだ。

看護婦さんがお母さんに「あともう少しだから頑張って」と身体をさすりながら励ましていると、急に赤ちゃんがスルッと出てきた。言葉では表現できないほど神秘的な光景だった。新しい生命の誕生、その瞬間チズちゃんは涙があふれそうになった。周りを見渡すと他の女の子達もウルウルしている。

まだ、お母さんと赤ちゃんを繋ぐ臍の緒がついている。すると担当のお医者さんが、「臍の緒を切ってもらいましょう」と皆を見回したが、あまりに畏れ多くて誰も「ハイ、私がします」と言い出せなかった。結局お医者さんに指名された人が、おそるおそる臍の緒を切ることになった。

そしてお医者さんが片手で赤ちゃんの両足を持って逆さまにして、小さな足をトントンともう一つの手で叩いた。口の中にはいっている水分を吐かせるためだ。すると赤ちゃんは大きな声でオギャーと泣き始めた。そして皆で手をたたいて喜んだ。三毛猫タヌー

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