96 菊池さんを通して見た日系アメリカ人

カルフォルニアは一年中、温暖な気候で雨はほとんど降らない。毎日大体青空なのでカルフォルニア州の愛称はサンシャイン・ステーツというぐらいだ。夏は自分の家の様におばさんの所のプールに入って、お昼ごはんを食べさせてもらい、まるで家族のようにして貰っていた。

アメリカではテリー以外に家族や親戚が誰もいない。チズちゃんにとっては、おばさんは祖母のような存在だった。チズちゃんが物心ついた時には、両親それぞれの祖父母はすでに亡くなっていて、一緒に過ごした思い出がまるでなかった。祖父母のいる友人を何時も羨ましく思っていた。

おばさんにとってもチズちゃんは孫と同世代なので、とても可愛がってくれた。孫のクリスチーヌは日系4世で、日本語はほとんど分からないし全くのアメリカ人。アメリカ社会で日系アメリカ人の事をからかってバナナと呼ぶ。外側は黄色(アジア人)で中味は白(白人)だからだ。

日本人の顔をしているからと、日本的なものを期待するのはお門違いだ。ロスに住んでみると日米文化の違いを感じることが多い。アメリカ人と結婚している日本人妻の話だが、ある日病気になって寝込んでしまった。すると優しい夫が心配してハンバーガーを買って来た。

優しい夫が買ってきたハンバーガーを見た日本人妻は、せっかく気を遣ってくれた夫に対して『病気になって食べるのは、おかゆと梅干でしょ』と激怒。笑い話のようだが、これも文化の違いなので致し方無い。アメリカ人の夫におかゆと梅干の発想を期待するのは酷というものだ。

アメリカでの病人食はチキンスープ。けっこう脂こいので日本人にとっては身体の弱っている状態では、ちょっと辛い。一度風邪をひいて寝込んでいるとアメリカ人の隣人が「これを食べると風邪が早く治るわよ」と親切にわざわざ持って来てくれたことがあった。ありがたかったがチズちゃんは困った。三毛猫タヌー

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