116 両親、シグ、エスター イン ラスベガス

チズちゃんは時々日本にいる両親に電話をかけていた。勿論二人は心配をして、いろいろなアドバイスをしてくれたが余り役には立たなかった。その内お父さんが、お母さんと二人でロサンゼルスまでやって来ると言い始めた。テリーと仲が良かった頃に一度ロスには来ていたので、これで二度目になる。

両親がやってくることを日系アメリカ人の友人シグとエスターに話すと、それなら僕達がラスベガスに連れて行ってあげるからと言ってくれた。チズちゃんは両親を空港まで迎えに行き、久しぶりに再会した。両親は、チズちゃんが思ったより元気だったので安心したようだった。

友人のシグとエスターは無類のラスベガス好き。その頃は一カ月に一度は7時間のドライブもものともせずラスベガスに通っていた。常宿は『ゴールデン・ナゲッツ ホテル』常連さんなので、何度か利用すると宿泊が無料になるという恩恵にあずかっていた。

ラスベガスのホテルの食事は、みんながギャンブルでお金を落とすので豪華な食事が格安で食べられるのも魅力だ。世界中から有名アーティストやダンサー、マジシャンなどの豪華なショーが毎晩見られる。『ホテル サーカス・サーカス」では何時でもサーカスが見られた。

ご存知のようにラスベガスはネバダ州に広がるモハヴィ砂漠の真ん中にある。夜遠くから近づくと真っ暗な砂漠の中に忽然と不夜城のラスベガスの街が現れ驚く。チズちゃん達は「デューン」というホテルでショーを観た。大きな羽をつけた女の人達がトップレスでラインダンスを踊っていた。

お父さんはトップレス・ラインダンスの舞台を観ながら突然、チズちゃんとお母さんに「あの右から何番目のダンサーは貧弱な胸で可哀想だね」と呟いた。「レーズンが二つ付いている感じだ」と言うのだ。日本語だから他の人には分からないが、チズちゃんとお母さんはハラハラして周りを見回した。三毛猫タヌー

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